フエに来たなら、王宮とあわせて帝陵を見なければフエを満喫したとは言えません。帝陵とはグエン(阮)王朝歴代皇帝の陵墓のことで、皇帝の死生観などが映し出され、当時の王朝の様子や皇帝の性格を垣間見ることが出来ます。
7つの帝陵は全て世界遺産群に登録されており、文化価値の高いものになっています。
その中でも特におすすめなのがミンマン帝陵、トゥドゥック帝陵、カイディン帝陵です。この3帝陵は時代背景をおおきく反映しており特に見応えがあるものなっております。
ザーロン帝陵とティエウチー帝陵などの他の帝陵は、残念ながらベトナム戦争時に大きな被害をうけて消失してしまった建物が多く、まだ修復・整備が進んでいないため、時間がある観光客の方向けです。
帝陵は中国の明・清朝時代に確立された中国の陵制を参考にしており、共通要素として、河か池を前面に持ち、拝庭、碑亭、段台状テラス、寝殿(礼拝殿)、石棺の5つの要素から構成されています。拝庭には左右に石像が並び、石棺は基本的に前方に一組の花表柱を伴なっています。共通要素における各帝陵の表現の違いもみどころの一つになっています。