第12代皇帝カイディン帝(在位1916~25)の陵墓で、応陵と称されます。フエ市街から10km離れたフォーントゥイ(香水)県のトゥイバン村にあります。
応陵は1920年に起工、帝が1925年に崩じたあとも造営を続け1931年に完成、と11年掛けて建設されました。
カイディン帝はフランスに擁立されたこともありフランスに対して融和的でした、フランスで開催されたマルセイユ殖民博覧会(1922年)に出席してからは多大な影響を受け親仏的傾向がつよくなり、自身の陵墓もバロック様式を取り入れて建築するよう命じました。
先代の各帝陵と比較すると、面積は117m ×48.5mと小さいが、各建築物は長い時間をかけ工夫を凝らして建てられました。
特に過剰なまでに装飾された啓成殿は素晴らしく、アジア各地から集めた美しい器や瓶などを材料として使っており、デザインも東洋様式とヨーロッパ様式が混じっている大変ユニークな建物になっています。
応陵は建築に多大な費用がかかり、税金を20%上げてまでまかなったため、当時の国民からは多大な反感をかいました。しかし、現代においてはここは本当に建築的にも芸術的にも価値のある建築物のひとつとなりました。
また、次代バオダイ帝でグエン王朝は終焉をむかえます。そのためカイディン帝陵は王朝最後の帝陵となっています。
◆カイディン帝陵 / Lăng Khải Định
住所:xã Thuỷ Bằng, thị xã Hương Thuỷ
開館:7:00 – 17:30(年中無休)
料金:大人 100,000VND 子供(7 - 12歳)20,000VND
拝庭からみあげる碑亭
カイディン帝陵はフランスから輸入した高価な鉄筋コンクリート製です。碑亭前の牌坊や左右に立つ華表柱にもフランス風のデザインがみられます。
拝庭の石像
文官・武官のの後列にいる兵士像は靴をはいていません。足下にも注目してみてください。
碑亭
皇帝の功績が書かれた碑石(聖徳神功碑)が置かれています。龍の装飾の瞳にはフランスワインの底が使われています。
啓成殿
壁面の装飾が美しいこの殿内に礼拝堂と墓所がおかれています。
啓成殿
天井の九龍が描かれ、壁面はすべて華々しく彩られたモザイク装飾が施されています。この部屋にはカイディン帝が崩じた時刻でとまっている時計の装飾があるので探してみてください。
四季が描かれたモザイク装飾
日本との四季の花の違いを見ることができます。モザイク装飾には中国の陶器にくわえ、日本のビール瓶が使われています!NIPPONの文字がかかれているのでご注目ください。
カイディン帝像
金箔が施されたこの像の地下9mに皇帝の遺体が安置されています。
鳥の装飾
羽の一枚にいたるまで美しく造られています。細かいところまで見れば見るほどうっとりするような装飾に出会えます。