※2017年1月現在修復中のため、寝殿部分は一般公開されていません。寝殿の後方にある陵墓は、寝殿を迂回することで見ることができます。
第9代皇帝ドンカイン帝(在位1885~88)の陵墓で、思陵と称されます。フエ市内より南に約8km 、4代皇帝トゥドゥック帝陵のすぐ近く(徒歩5分)にあります。
ドンカイン帝は在位3年にして25歳の若さで病にかかり崩御し、次代皇帝のタインタイ帝によって1889年に造営されました。
その後にフランスの影響をつよくうけた12代皇帝カイディン帝(ドンカイン帝の息子)により何度かの改修増築が行なわれたこともあり、ベトナムの伝統様式のなかに西洋風な趣を感じさせる建築になっています。
思陵は廟と陵墓のふたつの区画に分かれています。
廟は前方に楼閣形の宮門があり、寝殿(礼拝所)にあたる凝禧殿が内部中央におかれています。凝禧殿は正眷(正殿)・前眷(前殿)の二棟連棟形式で建てられ、内部は朱やは金に塗られ、様々な装飾が施されています。
陵墓は拝庭、碑亭の奥に3重の周壁に囲まれた石棺からなります。碑亭は西洋様式がみられ、フランスの影響をうかがわせます。
他の帝陵とくらべ規模は小さいですが、石棺まえにある影壁などの細部の装飾が美しく施されており、見応えのある帝陵となっております。
◆ドンカイン帝陵 / Lăng Đồng Khánh
住所:Đường Đoàn Nhữ Hài, thành phố Huế
開館時間:---
料金:---
寝殿(礼拝堂)である凝禧殿
殿内にはドンカイン帝の位牌がおかれています。
拝庭の石像
他の帝陵より、スマートで装飾が細かいのが特徴です。
碑亭
中には皇帝の功績を記載した石碑が置かれています。
陵墓内の石棺
周壁の奥には龍と鯉の装飾が施されています。
石棺の手前の影壁
龍と華の緻密な装飾が美しいです。
皇帝陵墓の近くにある皇后陵墓の碑亭