第2代皇帝ミンマン帝(在位1820〜41)の陵墓で、考陵と称されます。
フエ市街から15km離れた小高いカムケー(錦鶏)山にあります。
考陵は1840年から3年かけて建設されました。ミンマン帝は完成前の1841年1月に病が急変し崩御されたため、次代皇帝ティエウチー帝により完成しました(1843年)。
ミンマン帝は先代とはかわって西洋文化を廃し、儒教的思想を重視していたため、陵は中国の明や清の陵制を参考にしています。
周囲1750mの城壁に囲まれた陵内には、拝庭、碑亭、寝殿、陵墓など主要な建造物が700m の真っすぐな参道の上に配置され、グエン王朝の最盛期を感じさせる威風堂々とした構成になっています。また顕徳門、崇恩殿、明楼には約600点の詩文が美しく彫刻されており、オリジナリティーのある建築物を見ることができます。
陵と優雅な大庭園がひとつに融合し、他の帝陵と比べて最もととのった構成の考陵は皇帝の荘厳さを体現しているといえます。
◆ミンマン帝陵 / Lăng Minh Mạng
住所:QL49, Hương Thọ, Tp. Huế, Thừa Thiên Huế
開館時間:7:00 – 17:30(年中無休)
料金:大人 100,000VND 子供(7 - 12歳)20,000VND
正門の大紅門
この門は皇帝の遺体を運び込んだ時に一度だけ開かれ、以後閉じています。現在は東側の左紅門、西側の右紅門が観光客用の入口になっています。
碑亭
ミンマン帝の功績が書かれた碑石(聖徳神功碑)が置かれています。碑文はティエウチー帝によるものです。
顕徳門
寝殿の前門です。真ん中は皇帝専用として閉じられています。
寝殿(礼拝堂)である崇恩殿
殿内にはミンマン帝と皇后の位牌が祀られています。
明楼
崇恩殿の背後にある澄明湖を越えた先にある楼閣です。中には皇帝が生前使用した寝台が置かれています。
新月池と聡明正直橋
この橋の奥にある牌坊の先の墳丘が陵墓です。池は三日月型で造られており、これは三日月が皇帝の崩御を表すためです。
池のほとり
探索に疲れたら、池のほとりで穏やかな時間を過ごすのも帝陵の楽しみかたのひとつです。